若年性アルツハイマー6年目の願い 母手記

 

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ももの母手記

 

「できたよ」

 

洋服を着替えたその姿に大笑い。

 

「えーっ」

 

「テルテル坊主みたい」

 

だってその姿、下着の上に私のTシャツをフワッとかぶったまま。

 

大笑いした後、この病気はああこういうことなんだなと納得。

 

昔なら本当に笑わそうとして着ていたかもしれません。

 

でも今、本人は別に笑わそうとしてかぶったわけではありません。

 

「あっ、このTシャツ私のだから取るね」

 

サッとはずして、お父さんに服を渡して手伝う。

 

普通なら当たり前にやっている日常の一つ一つが、こんな風に少しづつ変わってきました。

 

でも、全てが一変するわけではなく、「アレ?アレ?」という感じで少しづつでした。

 

娘が幼稚園にいた頃の節分の日、夫は娘が幼稚園で作ってきた紙袋の鬼のお面をかぶり、

 

「ウヒョウヒョ」

 

と漫画みたいにひょうきんな動きで家の中を逃げ回り、みんなで豆をぶつけたときの事をフッと思い出しました。

 

何十年も前のことなのに、私たちが歩いてきた普通で幸せな思い出の一コマは、今も私の中でありありと生き続けています。

 

今はこの病気になり本人が笑うことも少なくなりましたが、ほんわかな一コマは思い出すと色あせることはありません。

 

よく見ると数えきれないほどのホッコリが家のあちこちにあります。

 

何箱もある写真の一枚一枚もわが家の歴史。

 

えーっと驚くようなことがあったり、しばらく落ち込むこともありますが、過ぎればそれも思い出の一コマ。

 

山あり谷あり、色々あっての人生かなと感じています。

 

時折、「この先どうなるのだろう」「なんで、なんで」と先が見えない不安でいっぱいになることもあります。

 

本やネットで病気について調べることもありました。

 

一人一人ケースは違うので、私はどうしたいのかと自分の心と向き合うと、私の願いはもちろん治療薬が開発され、病気が治ることですが、

 

病気でも今まで通りできるだけ穏やかな日々を一緒に送ること。

 

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「桜きれいだね」

 

「うん」

 

今日、満開の桜を一緒に見ながら心から願いました。

 

ももの母

 

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